2.「卵子は35歳を過ぎると急激に老化し始める」という誤解
「34歳はセーフ、35歳はアウト」と思うのも、大きな誤解です。妊娠力は少しずつ低下します。
35歳という年齢はどうかというところですが、妊娠力の低下は35歳よりもっと早いとも言えるし、もっと遅いとも言えるでしょう。
前述の研究では、妊娠率は20代後半にはもう低下し始めました。体外受精ではもう少し遅れて、妊娠率は32歳くらいから低下し始めます。ただ、これは、とても小さな変化です。妊娠力の低下が実感され、深刻になるまでにはまだ時間があります。
実は、妊娠力の低下は毎年同じように下がっていくのではなく「変わり目」の年齢があります。その変わり目を超えると「なかなか妊娠しないな」という実感が出てくるかもしれません。
変わり目年齢としては、35歳と考える医師はあまりいなくて、一般的に37~38歳と言われています。さらに40代、42~43歳になると、また一段と状況が厳しくなります。
ここであげた年齢はみんな、昔から言われている「女の厄年」に近い数字です。女性の厄年は33歳と37歳です。昔の人は身体の節目についてよく知っていたんですね。