http://sankei.jp.msn.com/region/news/140602/okw14060217170001-n2.htm
キャストの中で俳優としてのキャリアが最も長い島袋寛之(34)は、宮本と仲宗根の持つ引き出しの多さに感化されっぱなしだという。「このキャストの中で自分をどう出すか。まだまだいけると常に上を目指す」
さまざまな経歴とバックグラウンドを持った個性豊かなキャストの面々。出演のチャンスを手にした喜びを噛み締め、観客を楽しませたい、沖縄をもっと好きになってもらいたいという情熱があふれていた。
そして宮本と仲宗根に寄せる全幅の信頼が、稽古開始から間もないとは思えないほどの一体感を生み出しているようにも映った。
「沖縄は土地柄、イベントや祭りも多く、楽しみ方を知っているところ。だからあまり真面目に演劇鑑賞というよりも、その場の雰囲気を楽しみ、臨場感を味わい、みんなで一緒になって盛り上がってほしい。今まで手がけてきた舞台とは違う作品を作っていく」
看板犬ビート君を抱え、和らいだ表情の宮本は実にたのしげだった。
「なるべく遊んで面白く…。梨乃とだったら作れるんじゃないかなぁ」
(金城有沙)
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公演は特注のドームテントを使用し、7月6日からの那覇市の新都心公園を皮切りに、北谷町の北谷公園野球場など県内4カ所を巡演する。
Webと電話でチケット予約が始まっている。メールからの予約だと「Web割」料金が適用され、通常大人4千円、小人2千円がそれぞれ3千円、1500円に。問い合わせは(電)098・882・3123。
~沖縄型ノンバーバル(非言語)パフォーマンス「TEE!TEE!TEE! NEXT STAGE」の公演がいよいよ7月に開幕する。新たな沖縄文化エンターテインメントとして期待が高まる中、5月末、沖縄県西原町にある稽古場にお邪魔してみた。
「一人一人が持っている才能をもとに、(その才能に)プラスできるような振り付けを作り上げている。私はみんなに助けられている。この今が未来につながったらいいな」
28日に那覇市役所で行われた製作発表でそう話していたダンサー・コレオグラファー(振付師)の仲宗根梨乃。稽古場では、演出を手がける宮本亜門とともに、てきぱきと立ち位置を指導し細かい動きや表情まで確認していた。
ノンバーバルパフォーマンスは非言語、つまりセリフを使わない舞台。有名なのが韓国で爆発的な人気を博した「NANTA」で、包丁やまな板などキッチン道具を楽器のように操り、言葉の壁を越えて世界中のだれもが楽しめる公演だ。
日本ではまだ認知度が低いが、宮本が沖縄でノンバーバルの舞台演出に初めて挑戦する。
稽古は24日に始まり、ロサンゼルスで活動中のダンサー、池田一葉(32)でさえ全身痛くないところがないというくらいハードな稽古が続く。
沖縄出身でイラストレーターの粒マスタード安次嶺(あしみね)(35)は、生後5カ月の1女の父親でもある。「家族の理解があってこそできること。自分自身の成長につなげたい。吸収できるものは全て吸収したい」
一般オーディションとは別に偶然の出会いから参加が決まったDICE(32)はフリースタイルバスケットボールで日本一に2度輝いている。「ダンスも芝居も初めてだが、ここで得たものを専門のバスケに生かしたい」と意気込む。