血管が年齢とともに老化し硬くなっていくと「動脈硬化」に進行し、様々な病気につながる。しかし運動で動脈硬化の進行を抑制できる。運動でしなやかな血管をめざそう!
1.ストレッチで動脈硬化の進行を予防
血管は誰でも年齢とともに老化しますが、そこに生活習慣による影響が加わると、動脈硬化の進行が速まり、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を招くおそれがあります。最近、こうした動脈硬化の進行が、ストレッチによって抑えられることがわかってきました。ストレッチを行うと、交感神経の活動が低下して全身がリラックスするため、血管が柔らかくなります。また、血流もよくなり、血管を硬くさせる血管収縮物質が減少して血管をやわらかくする血管拡張物質が増加します。ストレッチは、入浴後の体が温まった状態のときに、好きな音楽を聴くなどリラックスした状態で行うとより効果が高まります。また、続けて行うことで徐々に効果が現れるため、継続して行うことが大切です。
2.ストレッチで血管をしなやかに!
注意!
・運動は「気持ちよい」と感じる程度までにして無理せず行う
・いすは安定しているものを用い、平坦な滑らない場所に置く
●大動脈を柔らかくする 胸反らし
※30秒間×3回
(1)いすに深く腰掛け、両ひじを約90度に曲げた状態で、両肩と同じくらいの高さまで上げる
(2)上体をゆっくりと後ろへ反らし、おなかを少し前に突き出すようにする
(3)30秒間保ったら元に戻す
(4)これを3回繰り返す
難しい場合は...
両手を太ももの上に置いた状態で上体を反らす
●大腿動脈[だいたいどうみゃく]を柔らかくする かかと太もも乗せ
※30秒間×左右各3回
(1)いすに腰掛け、左の太ももの上に右足のかかとを乗せる
(2)姿勢を正し、ゆっくりと上体を前に倒す
(3)30秒間保ったら元に戻す
(4)これを3回繰り返し、反対側も同様に行う
●ふくらはぎと足の裏の血管を柔らかくする 足首立て
※30秒間×左右各3回
(1)いすに浅めに腰掛けて左脚を前へ伸ばし、上体を少し前に倒す
(2)左足のつま先を体のほうへ向け、30秒間保ったら元に戻す
(3)これを3回繰り返し、反対側も同様に行う
難しい場合は...
足の土踏まずよりやや指側にタオルを掛け、それを少し引っ張って30秒間保つ
●わき腹から上腕の血管を柔らかくする 体側伸ばし
※30秒間×左右各3回
(1)いすに深く腰掛け、頭の上で両手を組む
(2)その状態のまま、ゆっくりと上体を真横に倒す
(3)30秒間保ったら元に戻し、反対側も同様に行う
難しい場合は...
肩幅くらいにタオルを持ち、上体を倒したい方向にタオルを引っ張り、上体を倒す