沖縄タイムス 3月26日(火)
空手や琉球舞踊を素材にしたエンターテインメントショー「Tee!Tee!Tee!(ティー!ティー!ティー!)」のトライアウト公演が21、22の両日、那覇市のテンブスホールであった。外国人などの観客にもアピールしようと、言語をほとんど使わないノンバーバルパフォーマンスというスタイル。観客を舞台に上げ空手の実演をさせたり、上演後には舞台上で記念撮影に応じるなど客とのコミュニケーションも図るステージとなった。21日午後5時の回を取材した。(玉城淳)
迫力があったのは空手の型をベースにしたパフォーマンス。切れのいい動きに合わせ、真っ白な空手着がこすれ、空気を受けはためく様子と音が視覚的にも聴覚的にも美しい。その後、上着を脱ぎ、黒いタンクトップ姿でダンスを披露するスタイリッシュな雰囲気との落差もめりはりがあった。
空手の師匠と弟子、首里城を守っている竜たちが技を競い合う場面では、師匠と弟子のコミカルな振る舞いと、竜たちの激しいダンスがめまぐるしく交錯した。
琉球舞踊をヒップホップ風にアレンジした舞や、アクロバティックなパフォーマンスも交え、客を飽きさせないさまざまな工夫が凝らされた。
気になったのは冒頭の映像部分。同じ音楽が繰り返され、説明的な映像が続くのが、やや冗漫な印象を受けた。出演者のダンスや表情などの表現力にも、もう一段の練り上げが必要だろう。
今秋、那覇市内に常設劇場を設置し、連続して公演を打つ計画。連日の舞台でも客足が途切れないだけの中身と、出演者のさらなる技量向上に期待したい。